確かにそうかもしれないけど、ロックに溢れた歪んだアルバムだとも思うんだ。それに5作目の『HERE’S WHERE THE ATRINGS COME IN』でもオルガンとかメロトロンとか取り入れ始めていたしね。例えば三曲目の「Marquee」はスローなんだけど、ノイジーでフリークアウトなナンバーだよ。この作品の中では最後の曲「Martinis on the Roof」でマリンバを取り入れているんだけど、それが今作での一番の新しい試みかな。地元の学校に行って借りて来たんだけど、一番最後にレコーディングしたパートなんだ。ソフト…って感じだったら8作目の『HERE’S TO SHUTTING UP』の方がしっくり来るかなぁ。
僕はJimが手掛けたSTEREOLABの作品とか彼のソロ・ワークスが本当に好きでね。サウンドはクールだしアレンジも最高だからね。で、当時Jimはシカゴに住んでて、Albiniとはセカンド『NO POCKY FOR KITTY』で前にやったんだけど、エレクトリカル・オーディオ・スタジオは初めてだったから、これはグッド・タイミングだと!Jimとエレクトリカル・オーディオ、そして夜はAlbiniと飲む!楽しかったよ。
●今作ではJeb Bishop、Ken Vandermarkなどがゲスト参加してますね。
JebはノースキャロライナでANGELS OF EPISTEMOLOGYっていうバンドをやっていて、初期のMERGEからリリースもしてたよ。その後彼はシカゴに移って、有名な即興演奏家になった。あとKen VandermarkはJimと知り合いだったし、もちろん僕もジャズ奏者として知っていたから参加してもらったんだ。「Pink Clouds」の最後の方のJebとKenによるソロ・パートは本当に素晴らしい。元々はサウンドチェック用に演奏してもらったんだけど、あまりに素晴らしいのでそのまま使わせてもらったんだ。
●そして現在のところの最新アルバムである(…とは言っても8年前!)『HERE’S TO SHUTTING UP』(01年)ですが、この作品では『FOOLISH』でもエンジニアを務めていたBrian Paulsonを再起用していますが、これはなぜですか?
彼との出会いから話すと、93年にUNRESTとツアーをしたんだけど、その時に彼等からBrianを薦められてね。「絶対彼と仕事をするべきだ!」ってね。ちょうどUNRESTは彼等のクラシック・アイテムとなるべき素晴らしいアルバム『PERFECT TEETH』をBrianと作り終えていたから「じゃあ!UNRESTの言う通りにしよう!」ってね(笑)。それでミネソタにあるペーシーダーム・スタジオに行ってBrianと『FOOLISH』を作ったんだ。彼はUNRESTの他にSLINTの『SPIDERLAND』とかUNCLE TUPELOとか、とにかく素晴らしい作品を手掛けていたのは知っていたから、もうちょと長くレコーディングしたかったんだけど、ちょっと時間が足りなかったかな。その後彼はノース・キャロライナに移って、今度は僕のPORTASTATICの作品を手掛けてくれた。そんな繋がりもあってSUPERCHUNKもまた彼と一緒にすることになった。それが『HERE’S TO SHUTTING UP』だよ。一緒にアトランタのスタジオまで行って制作したんだよ。
●『HERE’S TO SHUTTING UP』は「これぞ正しくSUPERCHUNK!」ってなパーフェクトな作品だと思うんです。グッド・メロディー、エモーショナル、ちょっぴり寂しくてせつなくて。でもってロック!!ってな感じで。
『HERE’S TO SHUTTING UP』ツアーが全部終わったら休もうと思ってたんだ。結構レコーディングもツアーも過密な状況が続いていたから。その後コンピレーション・アルバムの『CUP OF SAND』(03年)を出したから小さなツアーはやったんだけどね。で、休みを取る事にはしたんだけど、絶対に解散はしないって決めてた。だって解散した後に大体みんな「再結成ツアー」とかするでしょ。それだけはしたくなかったからね。ただJonとLauraは解散してもいいかな…って感じだった。僕とJimはそれに反対で。「じゃあ、解散しない代わりにお休みしよう」って事になったんだ。
●そのお休み中はあなたにとってどんな期間でしたか?
PORTASTATICの活動に打ち込んでたよ。PORTASTATICはSUPERCHUNKみたいなロック・バンドに変化して来て、『THE SUMMER OF THE SHARK』、『BRIGHT IDEAS』、『WHO LOVES THE SUN』のサウンドトラック、それに『BE STILL PLEASE』とか色々作品を作ったよ。相変わらず忙しくてね、だって昔では絶対に考えられなかったPORTASTATICのツアーもしたんだから!SUPERCHUNKのJimがベースを弾いて、僕の弟のMatthewがドラマーだったんだ。彼は今BONIVERのメンバーなんだよ。